フェアトレード

国際フェアトレード憲章では、「モノを作り取り引きする際に、経済的な利益よりも人と環境を優先するのがフェアトレード」だと定義されています。フェアトレードが始まった背景には、開発途上国における劣悪な労働環境や、農産物が安く買い取られることによる貧困、強制労働や児童労働による人権侵害などがあります。これまで、世界の貿易ルールはひと握りの国や企業に有利につくられていました。フェアトレードの目的は、開発途上国の生産者を守り、貧困から抜け出せるようルールを変え、より公平で公正な取引を行うことです。

注目される理由

コーヒー豆やチョコレートの原材料であるカカオ、茶葉や綿花など、私たちの暮らしを支える農産物の多くが、開発途上国で生産されています。例えばコーヒー豆の価格は、ニューヨークやロンドンの国際市場で決定されるため、生産者自身が関わることができず、労働力に見合わない安い価格で買い取られるケースが後を絶ちませんでした。また2020年には、世界で約1億6000万人もの5~17歳の子どもたちが労働させられているとの報告があります。中には人身売買され強制的に労働させられたり、危険な作業を課せられたりするなど、深刻な人権問題を伴うこともあります。サプライチェーンのグローバル化が進み、国際競争が激化する中で、先進国が安価な原材料や労働力を求める動きが加速し、開発途上国の労働者が置かれた環境や条件は、より厳しくなっていきました。

こういった生産者をエンパワーするには、国を超え、複雑にからみ合ったいくつもの問題に取り組まなければなりませんが、それらは貧困や平等など、まさにSDGs と深い関わりがあると言えます。日本にいる私たちにできることのひとつとして、商品を購入する際には、国際フェアトレード認証のものを選ぶことが挙げられます。

関連用語:サプライチェーン関連用語:エンパワーメント参考:国際フェアトレード憲章参考:外務省 国際協力とNGO

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