エシカル消費

エシカル消費とは、環境保護や人権の尊重など、社会におけるさまざまな課題解決を意識しながらモノやサービスを購入することです。CO₂削減や労働者の人権擁護のために、プラスチック製品ではなく植物由来原料から作られた商品を購入したり、国際フェアトレード認証ラベルの商品を選んだり、また地産地消を心掛けたりするなどの行動が挙げられます。

注目される理由

エシカル(ethical)を直訳すると「倫理的な」という意味になります。倫理的とは、“法律で規制されているわけでなくとも、多くの人が正しいと思うこと”を指します。環境保護や人権擁護は、私たち一人ひとりの倫理観にかかっているといっても過言ではないことから、エシカル消費が推進されるようになりました。

これまで、多くの国が大量生産・大量消費を繰り返し、利益優先の経済活動を行ってきました。そのため世界では、地球温暖化やプラスチックゴミによる海洋汚染など、深刻な環境問題が起こっています。また、過酷な労働環境におかれたり、貧困を強いられたりするなど、人権がないがしろにされている労働者の存在も指摘されるようになりました。これからは、環境保護や人権尊重など、さまざまな社会的課題を意識した消費活動にシフトしていく必要があると言われています。

 

イタリアのシチリア島では、エシカル消費ともいえる活動が進んでいます。シチリアといえば、映画「ゴッドファーザー」シリーズでも知られるように、かつてはマフィアが席巻している島でしたが、若者たちが反マフィア運動を展開することからそうした活動が始まりました。

島で商売をする人たちは長らく、マフィアから金銭を要求されるとやむを得ず支払ってきましたが、そのことを知らずに消費者が買い物をすると、間接的にマフィアに利益をもたらしている、という考え方を若者たちが広めたのです。消費者を教育しながらエシカル消費を広げる一方で、商店主側もマフィアの影響力から離れていきました。また、国がマフィアから押収した土地を活用して、オーガニック農業を行う取り組みも進んでいます。

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参考

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