私たちが手軽にできるSDGs、ありますか?~スマートフォンでSDGs!?~

投稿者匿名希望(17歳)

回答してくれる専門家

竹本沙織さん

たけもと さおり|株式会社NTTドコモ経営企画部環境事業開拓担当。
広島県出身。大学卒業後、NTTドコモに就職、法人営業などを経て2021年より現職。

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SDGsという言葉は知っていても、具体的な行動に移すのはハードルが高いと感じるかもしれません。でも、実は日常的に使っているスマートフォンを通じてSDGsに関わることができるのです。大手通信会社NTTドコモにはサステナビリティ推進室という部署があります。担当者の竹本沙織さんに「スマートフォンを通じてできるSDGs」についてうかがいました。

ドコモの「5G料金プラン」を使うだけでSDGsに貢献!?

皆さんにとってスマートフォンは身近なアイテムだと思いますが、実は大量の電力を使うものだということを知っていますか?充電で電力を使うだけでなく、通信そのものにも大量の電力を使っているのです。1年間に、日本全体の携帯端末の使用によって排出されるCO2の量は、自動車1000万台が1年間に排出する量と同等とも言われています。(日本国内の携帯端末1億8,000万台が、1台あたり年間88㎏のCO2を排出するとして換算。自動車は年間で走行する際に排出するCO2の量を換算して比較。 )

そこでNTTドコモでは、5Gの基地局や交換局を太陽光発電などの再生可能エネルギー100%(再生可能エネルギー指定の非化石証書の活用含む)の電力に切り替え、「グリーン5G」としてお客さまへお届けしています。5G契約者が増えれば、実質再生可能エネルギーの割合も増えていく仕組みです。

つまり、NTTドコモの5G料金プランを使っているだけで、気付かないうちに地球温暖化対策に貢献しているということになるのです。まさに一人ひとりが手軽にできるSDGsですよね。

ドコモショップでも、屋上への太陽光パネル設置を推進するなど、パートナーとの取り組みも進めています。

スマートフォンは、充電にも通信にも、「電力を消費している」と意識してみてください。

スマートフォンの機種選びに「地球にやさしい」という視点を

新しいスマートフォンを購入するとき、デザインや機能性は大事なポイントです。でももう一つ「地球にやさしい素材でできているか」を選択基準に加えることもできると思います。

たとえばNTTドコモの「arrows N F-51C」という機種は、再生プラスチックや再生アルミニウムなどのリサイクル素材を約67%使用した環境配慮型の端末です。このスマートフォンを選ぶだけでSDGsに貢献することになります。

ほかの機種でも、1台のスマートフォンを長く使い続けられるようにバッテリーの大容量化を進めたり、あんしんして使ってもらえるようなサポート体制を組んだりしています。スマートフォンを1台作るのにも、たくさんのCO2を排出しています。すぐに買い替えずに長く使うこともSDGsに関わる行動なのです。

そうは言っても新機種には魅力的な機能がたくさんありますし、長く使おうにも壊れてしまうこともありますよね。そのときは、使わなくなったスマートフォンをドコモショップに持ってきてください。スマートフォンなどの携帯電話には金やレアメタルなど貴重な資源が含まれています。使用していない携帯電話は、全国のドコモショップ/d gardenでケータイリサイクルとして無料回収しています。

地球にやさしい素材を使ったスマートフォンを選んだり、いま使っている機種を大切に使ったりするライフスタイルもかっこいいと思いますよ。

環境への貢献度を「見える化」できるアプリとは?

SDGsを意識してがんばっても、その成果は見えにくいときもあります。「この行動って何か環境のために役立っているのかな?」と感じることもあるでしょう。それを「見える化」できるのが、「カボニューレコード」というアプリです。このアプリをスマートフォンにダウンロードすれば、日々の行動でCO2をどのくらい削減できたかが数値化されるのです。

レジ袋を買わずマイバッグを持参した、マイボトルを持参した、食事を残さず食べた……そういう行動をアプリに記録していくと、どれだけCO2削減につながったかが表示されます。またドコモをご契約の方は「車を使わずに電車を使った」「徒歩で移動した」「グリーン5Gを使っている」などは自動的に反映されるので、エコ行動を入力する手間を省けます。

CO2削減量に加えて、「Reco」というスコアもたまっていって、「自分が行動したことがわかる!」と思うと、ちょっとうれしいですよね。

これまで見えなかったCO2の削減行動がアプリで見えると、やる気がでますよ!

コンビニの照明で充電? 未来への実験進む

NTTドコモがパートナーとの連携・研究開発により進めているのは、身近で小規模な発電です。たとえば室内の照明の光を集めて、スマートフォンの充電に使えないか?そんな「室内光発電」の開発にも取り組んでいるのです。身の回りのわずかなエネルギーもむだにしないという考えです。

その一環として、コンビニ大手と協力した室内光発電の実証実験を行っています。

そのほかにも、自治体と協力して「AI運行バス」というオンデマンド型の交通システムの開発を進めたり、パートナー企業さんとドコモショップを拠点とした古着のリユースを進めたり、同じ志を持つ企業と協力・連携してさまざまな可能性を探っています。

「自分に何ができるかな?」「自分一人ではできないけど、誰かと協力すればできるかもしれない」という視点で動いてみては?

「自分にできることは?」スマートフォンでSDGsの情報収集も

SDGsに少しでも関心を持ったなら、世の中で何が起きているのか、どんなことが問題になっているのか調べてみましょう。手軽に情報を手に入れるツールとしてもスマートフォンは役立ちます。現在行われていることに協力するだけでなく、誰も注目していなかった問題に気付いて、その解決に動くことができるかもしれません。

私自身、入社当初に法人営業担当としてお客さまの課題をICTを活用し解決する業務を行っていましたが、お客さまそれぞれが異なる問題を抱えていて、要望に沿った提案が必要であること、またお客さま自身も気付いていない問題に営業担当が気づいて提案することの大切さを実感しました。 

興味関心を持つこと、自分で調べたり体験したりすることで見えてくる問題があり、ドコモグループはICTや幅広い顧客基盤などの強みを生かしその問題を解決するお手伝いができること、そしてその問題解決の積み重ねがSDGsにつながっていくと感じています。

学校を卒業して社会に出ると、世の中には色々な課題があることに気付かされます。

社会を変えたい!その第一歩を踏み出すには

「誰かの役に立ちたい」「社会を少しでもよい方向に変えていきたい」そう考える人はけっして少なくないと思います。私も高校時代、広島で平和学習に関わるボランティアをしながらそう考えていました。一方で、人の善意だけで社会を変えるのは難しいという現実も知りました。経済的にも効果のある対策でないと長続きしないかもしれない…そう考えて、今の仕事をしています。皆さんも自分の身近なところから、いろんな情報を集めて少しずつ行動を起こしてみてください。スマートフォンはヒトや情報をつなぐツールとして、きっとその役に立つはずです。

今、自分が社会の役に立てることは、実は目の前にあるかもしれません。

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