注目される理由
ハリウッド俳優や海外のセレブが宣言をしたことで広く知れ渡るようになったヴィーガン。ベジタリアンが食べない肉や魚に加えて、ヴィーガンは卵や乳製品、蜂蜜などの動物性食品も摂取しません。また、食べ物のみならず、動物由来の成分が含まれた衣類や日用品の使用を避ける人もいます。その背景には、動物の殺生を禁じる宗教の信条や、動物愛護の思想などのほか、畜産業では広大な土地や大量の水が必要とされることから、ヴィーガンスタイルによって環境保護に貢献しようという考えもあります。
しかし、ヴィーガンが食べない肉や魚、卵、乳製品にはタンパク質や鉄分が多く含まれるため、これらを摂取しないと栄養不足に陥るリスクがあります。完全菜食を実践する時は、メリットとデメリットの両方を吟味する必要があるでしょう。また動物の代わりに植物を犠牲にしていると指摘する人もいて、ヴィーガンの考え方には矛盾があるとも言われています。ヴィーガンであるなしにかかわらず、お互いの多様な食生活を尊重する姿勢が求められています。
最近では、日本でも、原材料に動物性食材を使わない「ヴィーガンメニュー」を食べられる外食店が増えつつあります。例えば、カレーハウスCoCo壱番屋では、動物性原材料を使わないカレーソースのメニューがあり、モスバーガーなど店舗数の多いチェーン店でもヴィーガンメニューが選択肢のひとつとして加わってきています。
また、コメダ珈琲は「お肉を休む日を、つくろう」という提案のもと、プラントベース(植物由来)の喫茶店『KOMEDA is ▢(コメダイズ)』を立ち上げました。人気のシロノワールには豆乳を使用するなど、原材料を全て植物由来のものにこだわりながらも、コメダ珈琲ならではのボリュームは健在のようです。リユース・リサイクルを活用した店内の内装にもサステナブルなこだわりが見られ、環境を考えるきっかけになる場所としても注目されています。