エコツーリズム(ecotourism)

エコツーリズムとは、英語の「ecology(生態系)」と「tourism(観光)」を掛け合わせた言葉で、地域の自然環境や歴史・文化を体験し、学ぶことを目的とした観光スタイルです。体験や学びを通じて、対象となる地域の自然環境や歴史・文化の保全に責任を持つ観光のあり方でもあります。資源の保護と観光業の活性化を両立させることで、地域振興、地域経済への効果も狙えます。

注目される理由

旅行といえば、観光スポットや有名店を巡ったり、料理を食べ歩いたりすることを思い浮かべる人が多いでしょう。このスタイルでは、一見、観光客でにぎわっていても、利益を得るのは観光スポットや商業施設のみであることが多く、経済効果が一極集中になりがちで、地域のメリットは少ないと言われています。また、観光客と地元住民の交流が少ないのが実情とされています。

エコツーリズムには、専門家が案内する登山やトレッキング、ウォーキング、ダイビングなど、地域の自然や人材を活かしたものがあります。例えば、民泊と農業体験がセットになったプログラムや、海でのレクリエーションに海岸の清掃をプラスするなど、全国各地でさまざまな取り組みが行われています。

こうした観光スタイルでは、地域での経済効果が期待でき、観光客と地元住民のコミュニケーションが生まれます。また、環境保全や住み続けられるまちづくりに役立ち、SDGsの達成にもつながります。エコツーリズムは、観光客にも地元住民にもメリットをもたらしてくれる、新たな観光スタイルなのです。

 

地域活性化の取り組みとして、各地でエコツーリズムが推進されていますが、日本でいち早くこの取り組みを開始したのが埼玉県飯能市です。「人と人とのふれあい」と「体験」を重視する飯能市では、地域の人が案内するエコツアーが数多く開催されています。

森林散策や生きもの観察といった自然を楽しむフィールドワークのほか、古民家の宿泊体験や仏像彫刻体験、ニホンヤマネの巣箱清掃といったユニークなプログラムもあります。季節ごとにさまざまなエコツアーが用意されており、一年を通して飯能の暮らしを体験できることから、リピーターも多いようです。

参考

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