
注目される理由
リサイクルは、SDGsが掲げる17の目標のうち、12番目の「 つくる責任 つかう責任」に直結します。リサイクルという言葉の意味は、再循環させることです。資源を再循環させる取り組みを行うことで、環境への負担を減らして持続可能な循環型社会の実現に近づいていきます。
SDGsができるずっと前から、リサイクルは世界共通の課題でした。日本を含む多くの国が、第二次世界大戦後の数十年の間に経済発展を経験し、それに伴う大量消費を享受してきました。そのツケとして、気候変動を含む環境問題が深刻化しています。限りある資源を有効に使うために、企業などの生産者側が努力をするとともに、消費者である一人ひとりにもリサイクルに取り組む努力が求められています。SDGsの「つくる責任 つかう 責任」には、そのことが集約されているのです。循環型社会を実現するための具体的な指標としては、食品ロスの削減 や、リサイクル率の 向上などが掲げられています。
資源を無駄にしないために始まったリサイクルを含む3Rや、廃棄されるはずのものに新たな価値を加える「アップサイクル」といった関連するさまざまな概念がうみ出され、より多くの人が資源の有効活用に取り組めるようなアイデア が 提案されています。
(2025/2/18掲載)

リサイクルに積極的に取り組んでいる染工場が、大阪府東大阪市にあります。福井プレスという従業員数が11人の会社 で、「染食還」と名付けたブランドでは、コーヒーを焙煎する際に生じる廃棄物を原料に染色などをし、さらに染料を抽出したあとの残りかすをキノコ栽培の培土にしています。もとは家族で経営するクリーニング店でしたが、染色も手がけるようになったところ、洋服を染め直してほしいという依頼が増えるようになり、社員と共にリサイクルの輪を広げてきました。社長の福井伸さんは「SDGsが注目される前から、洋服を大切にしたいと考えていたお客さんが当店にはたくさん来ていました。近年では、消費者の方がさらにSDGsに対して注目しているのを感じます。地元の事業所ともさらに連携して、持続可能なリサイクルを続けていきたいです」と話しています。
(プチメモ追記:2025/2/18)