注目される理由
カーボンニュートラルの「カーボン」は「炭素」、「ニュートラル」には「中立」という意味があります。産業革命により工業化が進み、CO₂の排出量も年々増加してきました。このまま何の手も打たなければ、よりいっそう環境破壊が進み、人類は地球に住めなくなるかもしれません。カーボンニュートラルに取り組み地球環境を守ることは、全人類の責務とも言えるでしょう。
そのために世界198カ国・機関が国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を締結し、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。CO₂の排出量は、先進国と途上国のどちらが多いかという議論にとらわれがちですが、地球全体で改善すべき課題であるため、国や地域で対立するのではなく、協調することが大切です。太陽光や風力発電のような、CO₂を出さないクリーンエネルギーの利用による化石燃料からの脱却が急務になっています。
日本では環境省が、私たち一人ひとりが日常生活の中でできる取り組みを「ゼロカーボンアクション30」としてまとめ、推奨しています。その中には、節水や節電、徒歩や自転車での移動、サステナブルファッション、食品ロスをなくすこと、脱炭素型の製品やサービスの選択などがあります。マイボトルを持参したり、食品の購入では地産地消を心掛けたりするのもよい方法です。また、フリーマーケットの開催や、廃材を利用したハンドメイドを楽しむなど、さまざまな取り組みが考えられます。
(2023/4/26掲載)
「温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」というカーボンニュートラルの目標を実現するために、スポーツを通じてファンを巻き込み、加速させようという取り組みがあります。「スポーツを通じた気候行動枠組み」と呼ばれるもので、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)とIOC(国際オリンピック委員会)が連携して発足させました。FIFA(国際サッカー連盟)や、米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースのほか、日本ではサッカー・Jリーグのヴァンフォーレ甲府や、バスケットボールのアルバルク東京なども署名しています。たとえばアルバルク東京は、2030年までに温室効果ガス排出量を半減するための行動を呼びかける国際キャンペーン「Race To Zero(ゼロへのレース)」にも参加したと発表しています。気候変動への取り組みにファンを巻き込むことはもとより、CO2削減のための努力を組織的に行うことも求められています。好きなチームや選手の取り組みを調べてみるのもいいでしょう。
(プチメモ追記:2024/11/12)
参考
- 環境省 脱炭素ポータル カーボンニュートラルとは
- 朝日新聞社 SDGs ACTION! カーボンニュートラルとは? 意味やポイント、最新動向をわかりやすく解説
- 経済産業省 資源エネルギー庁 日本のエネルギー 2020年度版 「エネルギーの今を知る10の質問」
- 経済産業省 資源エネルギー庁 「パリ協定」のもとで進む、世界の温室効果ガス削減の取り組み③ ~GHG削減が進展する英国
- 経済産業省 資源エネルギー庁 CO2の排出量、どうやって測る?~“先進国vs新興国”
- 外務省 気候変動に関する国際枠組み
- 環境省 COOL CHOICE ゼロカーボンアクション30
- United Nations Climate Change「Sports for Climate Action」
- JOC「『スポーツを通じた気候行動枠組み(Sports for Climate Action Framework)』への署名について」