カーボンニュートラル/ゼロカーボン

カーボンニュートラルとは、地球温暖化の原因となっているCO₂などの温室効果ガスの排出量を実質ゼロにすること。実質ゼロとは、温室効果ガスが排出される量と、植林などで吸収される量を差し引きゼロにすることです。2015年に採択されたパリ協定で「世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2℃より十分低く保ち、1.5℃に抑える努力を追求する」という世界共通の長期目標が掲げられたのを受け、日本政府は2050年までにカーボンニュートラルの達成を目指しています。同じ意味として、ゼロカーボンという言葉が使われることもあります。

注目される理由

カーボンニュートラルの「カーボン」は「炭素」、「ニュートラル」には「中立」という意味があります。産業革命により工業化が進み、CO₂の排出量も年々増加してきました。このまま何の手も打たなければ、よりいっそう環境破壊が進み、人類は地球に住めなくなるかもしれません。カーボンニュートラルに取り組み地球環境を守ることは、全人類の責務とも言えるでしょう。

そのために世界198カ国・機関が国連気候変動枠組条約(UNFCCC)を締結し、温室効果ガスの削減に取り組んでいます。CO₂の排出量は、先進国と途上国のどちらが多いかという議論にとらわれがちですが、地球全体で改善すべき課題であるため、国や地域で対立するのではなく、協調することが大切です。太陽光や風力発電のような、CO₂を出さないクリーンエネルギーの利用による化石燃料からの脱却が急務になっています。

日本では環境省が、私たち一人ひとりが日常生活の中でできる取り組みを「ゼロカーボンアクション30」としてまとめ、推奨しています。その中には、節水や節電、徒歩や自転車での移動、サステナブルファッション、食品ロスをなくすこと、脱炭素型の製品やサービスの選択などがあります。マイボトルを持参したり、食品の購入では地産地消を心掛けたりするのもよい方法です。また、フリーマーケットの開催や、廃材を利用したハンドメイドを楽しむなど、さまざまな取り組みが考えられます。

(2023/4/26掲載)


「温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする」というカーボンニュートラルの目標を実現するために、スポーツを通じてファンを巻き込み、加速させようという取り組みがあります。「スポーツを通じた気候行動枠組み」と呼ばれるもので、UNFCCC(国連気候変動枠組条約)とIOC(国際オリンピック委員会)が連携して発足させました。FIFA(国際サッカー連盟)や、米メジャーリーグのニューヨーク・ヤンキースのほか、日本ではサッカー・Jリーグのヴァンフォーレ甲府や、バスケットボールのアルバルク東京なども署名しています。たとえばアルバルク東京は、2030年までに温室効果ガス排出量を半減するための行動を呼びかける国際キャンペーン「Race To Zero(ゼロへのレース)」にも参加したと発表しています。気候変動への取り組みにファンを巻き込むことはもとより、CO2削減のための努力を組織的に行うことも求められています。好きなチームや選手の取り組みを調べてみるのもいいでしょう。

(プチメモ追記:2024/11/12)

参考

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