フードロス

フードロスとは、本来ならまだ食べられるのに捨てられた食品のことです。「食品ロス」と言うこともあります。2020年度の推計では、日本国内におけるフードロスの量は年間522万トンにものぼりました。東京ドーム約5杯分に相当する量で、日本人1人当たり1年で約41㎏の食品を廃棄していることになります。フードロスは資源の無駄遣いであり、さらに廃棄された食品を焼却処分する際にCO₂を排出するなど、環境に負荷がかかり、SDGsの達成を阻んでしまいます。

注目される理由

コンビニやファミレスを利用すれば24時間いつでも食事することができ、スーパーには常に食材が並んでいる日本。しかし世界を見渡すと、79カ国で3億4900万人が飢餓に陥っているという報告があります。食糧難に苦しむ人は年々増加しており、SDGsの目標2に、「飢餓をゼロに」が掲げられています。

日本は飽食の状態にあり、フードロスがまだまだ社会的な問題です。食品製造や外食産業から出る「事業系食品ロス」が275万トン、家庭から出る「家庭系食品ロス」は247万トンに及んでいます。フードロスを削減するために、どのような対策がなされているのでしょうか。スーパーなどの小売業ではこれまで、メーカーから食品が納品される期限を「賞味期限の3分の1以内」とする商習慣がありました。例えば賞味期限が3カ月の場合、製造後1カ月以内に納品されなければならず、納品が遅れたものは廃棄される可能性がありました。しかし、近年はこの期限を緩和する動きがあります。また、外食産業では食べ残った料理をお客さんに持ち帰ってもらうなどの取り組みが広がっています。

私たち消費者にもすぐにできることがあります。例えば食品を購入する時、無駄が出ないよう心掛けることです。商品を棚の奥から取るのではなく、賞味期限の近いものから購入する「手前取り」をしたり、賞味期限が近く値引きされている食品を選んだりしてみてはいかがでしょうか。

参考:農林水産省 食品ロスとは参考:農林水産省 食品ロスの現状を知る参考:消費者庁 【特集】つくる責任、つかう責任、減らす責任~食品ロス削減―持続可能な社会のために~

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